レッドロットとは革の末期症状|修復できない劣化の原因と対策で革靴を守る!
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レッドロットって聞いたことありますか?
これは修復できない革の末期症状の状態を示したものです。
怖いですよね。。。
今回はワタシが経験したことについて書きたいと思います。
レッドロットとは?
革靴・革製品の世界で使われる俗称。
紫外線や乾燥、過度のクリーニングやケアミスなどが原因で、革が赤く焼けてしまった状態。
表面の油分や色素が抜け落ちて「赤茶色に枯れた革」の状態。
人間の肌も油分が無くなると乾燥してパリパリになり、やがてひび割れてきます。
ひび割れが起きたときに、クリームを塗って保湿したりします。
生きている人間なので、時間差はあるにしろ修復し再生できます。
一方で靴の革などは生きていません。
既にタンナーでタンニン鞣し等を施して加工済みの革になります。
革そのものの修復力がなくなれば崩壊します。
油分の無くなった革って簡単に破れます。
通常元気のいい革は弾力があり、伸びますよね。
それが全く無い
本当にボソボソです。
修復しようとクリームとかを入れたり、グリセリン保湿したりするけど全く効果なし。
車で例えれば、旧車のボディがサビで穴が空いている状態とでもいいましょうか。
そんな状態の車のボディーって、手でホジホジしたら簡単に穴あきますよね。
また簡単に崩れ落ちたり。
その部分の修復は、サビ周辺を切り取って新しい鉄板を溶接することで補修できます。
レッドロットの修復方法とは?
栄養を与えれない状態ですので、現状維持が精一杯の状態です。
こんな革の状態で靴なんか履けませんよね。
手で曲げると折れるくらいの革の状態ですから。
アッパーなんかがその状態であれば歩くこともできない。
レッドロットの革靴は、本来としての役目は終了なんです。
悲しいけど、観賞用に置いておく程度ではないかと思います。。。
素人考えで革の丸洗いでリセットできるのでは?って考えもありますが、
レッドロットの状態で革に水分含ませると、更に崩壊が加速します。
しかも乾いたら、革が石みたいにカチコチになります。
柔軟性はゼロ
そして革がボロボロと崩れ落ちるようになり、粉状になります。
基本的には触れない状態です。
これは後で記事にしようと思っていたことですが、フライングで出しますw
この革は1960年代製のオーストリア軍のバックパックに使われていた革です。
今から60年ほど前の革
この革は、肉厚で軍に採用されていたバックパックですので過酷な環境を想定して作られていたものです。
メンテも何も、存在自体に気づいたのが最近なので、購入してから革のメンテナンスはしたことがありません。
つい最近になって発見し、使えるかどうか品定めしたんですが、革は完全にレッドロット状態。
手でつまむとご覧のようにひび割れます。
手で触ると粉状ではないけど、明らかに修復しない革だと感じます。
試しにクリーム塗り込みましたが効果は全くなし。
まぁー錆びてる部分をキレイにしたところで光ることもなければ、面が整うわけでもないですよね。
修復を試みる時間が無駄と思います。
ワタシは再利用するのを諦めました。
当時の風合い残したかったんですが、流石に無理でした。。。
レッドロットの防止策
直射日光を避ける(保管方法の工夫)
過度なクリーニングを避ける
定期的な保湿
やはり紫外線は良くないですよねー
ワタシもそうですが、革靴の連投はしません。
屋外で一日履けば、中5日は最低空けます。
あと意図的な、革の油分を取りきらない。
以前、ALDENの左右差でも書きましたが、アセトン等で油分を取りきると革へのダメージも結構あります。
まぁー過度にってことなので、少々のことでは問題ありません。
人間の肌で例えたらわかりやすいですよね。
一日5回6回と洗顔してたら、顔痛いですよね。
油分が抜けてキュッキュって感じになりますが、肌はピリピリです。
それと同じようなことが革靴でもおこってるってことです。
すっぴん状態のクリーニングは必要です。
この後のケアが大事になります。
洗顔後はパックして保湿が必要ですよね。
定期的に過去のクリームを除去して保湿してあげれば、レッドロット対策になります。
なんでもそうですが、過度。は危険です。
レッドロットになったら
基本的にレッドロットは50年くらい前の革製品に見られます。
ですので、10年20年くらいでなるようなものでもないかと思いますが、メンテを怠っている革はこの限りではないかもしれません。
ヤフオクとかで中古靴ありますが、これらは素性がわからない革靴なので注意が必要です。
フローシャイムとかの古靴、特に70年代製のフローシャイムってかっこいいですよね。
ワタシ達が生まれた年代ですから50年以上前になります。
このあたりの古靴などは、レッドロットはあり得るのではないかと。。。
見た目だけでは中々判断つきにくいし、知識がなければ、買った後に革が裂けたってこともあり得ることです。
古靴なので洗いたい気持ちもわかります。
しかし丸洗いしたときには、ボロボロになる可能性も。。。
ってワタシも経験ありますからw
ちょっと古靴に興味があり購入したBritishWalkers
黒のコードバン
ミシン目のピッチが狭いですよね。
これらは革の質が良くないとちぎれて繋がるやつです。
当時の技術や原材料は良かったんだなーって思える革靴です。
しかし、このようにアッパーが裂けたんですw
悲しかったです。。。
まだ1回も履いてなかったのに。。。
そしていたるところでクラックが発生しました。
正にボロボロと連鎖的にクラックが入りました。。。
もしこのような状態になれば、レッドロットの部分を切り取り、新しい革で縫いつなぐ。
ってことは可能かもしれません。
ただ、レッドロットになっている革は、革全体にダメージが及んでいる場合が多いので、
切り取りしても、長い目で見た場合は寿命は少ないと思います。
ましてや結構負荷のかかる革靴ならば、更に寿命は短くなると思います。
見た目だけではわからないし、手にしても分かりにくい。
古靴はロマンがありますが、高額商品は結構リスキーです。
50年以上前の革靴は、コンディションを維持するには、定期的なメンテナンスが必須です。
ただただ置きっぱなしにしていただけでは、当時の状態には程遠い状態になると予想できます。
昔からよく聞く話で、家は住んでいないとボロボロになる。
生活して使うほうが長持ちする。
っていいますよね。
靴も同じく履いてなんぼ。
定期的にメンテナンスしていれば問題ないですが、ただただ観賞用で置いていても劣化が進みます。
レッドロット状態になると手の施しようがないので注意が必要です。
レッドロットにならないためにもメンテナンスは必須です
ワタシの所有している靴の最高齢は29歳です。
確か渋谷のトレーディングポストさんで購入しました。
その当時の店員さんのトリッカーズの履きこなしが実にかっこよかったのを覚えています。
来年で30歳。
この後ろからのアングルが好きです。
ロット番号が8台なので90年中期ですね。
こちらは翌年に購入したTrickersCountry
こちらは28歳
サイドゴアもカントリーもソールは共にオリジナルです。
メンテは特別これってことはしていません。
トゥーが光ってますが、これらはワックスつけていないんです。
ここまでくれば1909だけでこの艶が出ます。
また過保護に育てていません。
雨の日もガシガシ履いていました。
むしろこんな扱いでいいのかってくらいですw
TrickersはALDENよりも気を使わなく精神衛生上扱いは楽ですね。
かなり丈夫な靴なのは間違いないです。
今でこそ当時のようなヘビーローテーションはしていません。
ですが、無性に履きたくなるんです。
革の状態もかなりいいです。
この当時の革は、肉厚で質がいいと思います。
また何と言ってもかっこいい!
多分、死ぬまで履き続けると思います。
そんな相棒とも言える靴をレッドロット状態にはしたくないので、やはり定期メンテナンスは必要ですね。
適度な保湿と油分入れ
そして履き続ける
靴は履いてなんぼ
ながーく付き合っていきたいものです。
今回の記事が参考になれば幸いです。
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