革靴のサイズ感を改善する方法|足し算と引き算でフィット感を高める
投稿日:2025年8月20日 更新日:
前回、革靴の履き心地改善について書きましたが、補足として書き足したいと思います。
足し算と引き算でフィット感を高める
足し算と引き算
色々な解釈があります。
ここでいう“足し算”は大きめサイズの調整、“引き算”はタイトサイズの調整を指しています。
ワタシの靴のサイズは、24.5センチ(厳密には24.0センチ)です。
一般男性ではかなり小さい足の部類です。
したがって、コーデした場合の足元のシルエットが、極端にチグハグになります。。。
以前、JMウエストンの180を試着したとときは、23センチぐらいだったような。。。
かなり不格好なんです。
足が小さいコンプレックスは、足を大きく見せたい衝動に駆られ、オーバーサイズを購入し、足し算で履き心地を調整する。みたいな傾向がありました。
足し算のサイズ調整 (オーバーサイズ向け)
まず最初に考えることは、
①インソール
インソールを追加することで、靴の中のスペースを調整できます。
クッション性のあるインソールの履き心地はフカフカで気持ちいいものです。
スニーカーとまではいかなくても、オリジナルの履き心地より良い場合があります。
ただ、これには限界もあります。
インソールなので、一枚もの。
この1枚全体で改善できればいいですが、土踏まずの部分にまだ隙間が。。。とか、甲の部分がきつくなった。とか
全体的なフィット感を得ればいいですが、一部の箇所のみ当たって、その箇所が痛い。って場合もあります。
まんべんなくフィットしたいと思えば、そう簡単には改善は難しいのではないかと思います。
ただ靴の先(指の部分)は基本捨て寸なので当たってなくても良いとおもいます。
極端に、隙間があると足が暴れるので不快な履き心地になります。
インソール選びって、難しいです。
結局ジプシーになりがちなんです。。。
ワタシが20年ほど唯一使ってるインソールがあるんですが、こちらのインソールは思いの外良かったです。
邪魔しないというか、主張しないというか。
それでいて、履き心地も適度なクッションがあります。
装着時は、靴の形に合わせてカットすればフィット感が増しますので、カットはオススメします。
②タン部分のかさ増し
甲の部分にクッション材を装着し、フィット感を良くします。
このタン部分の足し算は、サイズ調整に有効ですが、限界があります。
インソールと同じく、全体的なフット感が得られればいいですが、一部のみに当たってしまうと不快な装着感が出ます。
経験からですが、タンの部分にかさ増ししたクッションを敷けば、ホールド感は確実に上がります。
ただ、適度なスペースがなければ、鬱血して痛くなります。
③踵パットの装着
ワタシは、足のサイズが小さいのがコンプレックスですが、踵が小さいのもコンプレックスです。
既製品の靴などは、基本踵が大きいものが多い認識です。
踵パットは基本後付ですので、接着剤や粘着テープで引っ付けているのがほとんどです。
これらは、脱いだり履いたりで取れることがよくあります。
結構不快です。。。
ワタシは以前、Trickersのバートンで、この踵パットを靴の修理屋で施工しました。
Trickersって、aldenに比べると履き心地が硬い印象です。
また踵の大きさもaldenより大きいように感じます。
靴を預けて、インナーの革に合わせた形でクッションを縫い付ける施工でした。
写真の青い部分にパットが入っていました。
見た目も非常に綺麗で、履いたり脱いだりで取れることもありませんでした。
まるで最初から着いているような施工。
最初は装着感が良かったんですが、踵上部の締め付け(クッション)が結構効いていたおかげで、徐々に不快な装着感になり、結果的に外してしまいました。
総じてワタシの経験上、足し算の効果は限定的でした。
引き算のサイズ調整(タイトサイズ向け)
引き算のサイズ調整とは、取っ払ったり、既存のパーツの変更、革伸ばし。みたいな位置づけです。
概ねタイトなサイズの場合、この引き算のサイズ調整をします。
①靴のストレッチ
革靴は基本的に伸びます。
この伸びを利用して、サイズ調整します。
小指を噛まれたり、親指噛まれたりって方は革靴あるあるですよね。
これも同じく限界があります。
革を伸ばす=革が薄くなる
ってことですので、耐久性には大きく影響があります。
またシルエットが崩れる可能性があります。
一部分(小指や親指)を伸ばすことで、ぽっこり出る場合があります。
伸ばす場合は、全体のシルエットを見ながら伸ばすことをオススメします。
また、ストレッチャーを使用する際は、クリームを必ず塗ってください。
革を柔らかくするため(ある程度の油分と水分が必要)
一回とかのストレッチではなく、継続的にすることも必要です。
形状記憶までは言いませんが、後戻りする作用もありますので地道に伸ばすことをオススメします。
②シューレースの結び方で工夫する。
シューレースの結び方で調整可能です。
またシューレス自体をストレッチ性のある素材に変更することで改善可能です。
③薄手の靴下で調整する。
これは当たり前ですが、薄い靴下を履くことによって、靴の中のスペースを調整します。
一番効果があり、シンプルな改善方法です。
総じて、足し算より成功率が高かったと感じます。
オリジナルを保つことの価値
オリジナルの靴って、かっこいいです。
そのシューメーカーの意図を汲み取った形で履けるメリットがあります。
そして何よりシンプルです。
足し算であれこれすることって、靴を重くもします。
インソールを変えれば、靴の中の高さが変わってくるので、踵のホールドも当然落ちます。
昨今のネット販売で、実質店舗での購入は少なく感じます。
故に試着しないで購入する方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ワタシ達50代はネットで靴を買うって感覚はなかったです。
実店舗で試着してキツイとかゆるいって感覚で品定めしていました。
故にサイズ感での失敗も大きくはなかったです。
また実店舗で試着することによって、店員さんにプロとしてのアドバイスを聞けます。
これって、聞くと聞かないとでは大きく差があります。
ただそれでも、革靴のサイズ感や履き心地には苦労した。って経験が多いです。
使用環境もあります。
個体差もあります。
ブランドで、沈み込みも違います。
新品の革靴を試着したくらいで、バッチリ自分の足型に合うか?ってこれもまたわかりません。
色々な靴を購入した経験があるからこそ、このブランドのこのラストでサイズ感がわかってきます。
当然主観も入りますので、一概には言えません。
そうした経験が重なって、マイサイズを導き出します。
今となっては、aldenなら概ねUS6.5Dがマイサイズで落ち着いています。
オリジナルの購入した状態で、自分の足型に育てていくのが、一番かっこよく、一番シンプルで、その靴のポテンシャルを発揮できると思ってます。
やはり足し算、引き算は基本限界があります。
結論
一番最強なのは、
ジャストサイズ
もしくは、ちょっとタイト目のサイズ
オーバーサイズは、物理的に大きいままです。
基本的に限定的な改善しかないと思ってます。
そして、オーバーサイズの履き皺って、個人的にかっこよく映らないです。
明らかに靴に履かれてる感があります。
変なところが膨らんでいたり。
革靴って、やっぱりカッチリしたときに履くものです。
そのカッチリしたときにルーズな革靴だったら、チグハグ感ありますよね。
試着してちょっとキツイぐらいが、後々馴染む。
これが、靴を育てる。って感じでしょうか。
今回も主観が入りまくりましたが、足し算、引き算は、激的に改善できるものではなく、あくまで暫定的な処置です。
この記事が参考になれば幸甚です。