靴磨きとトイレ掃除
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靴バカにとって、靴磨きは必須作業です。
無心になれる。とか、精神を落ち着かせる。とか、気持ちがいい。とか・・・
様々な理由で靴磨きに没頭します。
私は靴磨きもやりますが、トイレ掃除もやります。
このトイレ掃除を始めたきっかけが、お付き合いさせていただいている経営者の方からの勧めでした。
それまでトイレ掃除をバカにしていたんですね〜。
自分からやることなんてありません。
しかし、これが自分の気づきの最大のツールであることがわかったんです。
そのトイレ掃除とは、
便器を素手で掃除する。
主に小学校などのトイレ。
お金を支払って掃除をする。
最初は、
「えらいとこ来てしまったなぁ〜」
って思いが相当強かったです・・・汗
誘っていただいていることもあり、まぁ〜1回だけなら。
って感じで参加しました。
何人かのグループ分けでチームになり、分担して掃除をしていきます。
そして、小便器、大便器をそれぞれ制限時間を設けて素手で掃除していきます。
1時間かけて便器をピカピカにするんです。
最初は勿論抵抗があります。
恐る恐る便器に手を伸ばし、磨いていきます。
水垢が付いている部分は、ヤスリをつかってゴシゴシ磨きます。
ここでも気づきがあったんです。
通常、便器などの掃除をする時は、たわしで左右に大きく動かして広い範囲で磨いていきます。
これだと、汚れに対して集中しないので落ちません。上っ面だけの掃除になってしまいキレイにはならないんです。
これは、
力の分散を意味します。
汚れに対しては力を一点に集中させて取り除く。
例えば、角材にドリルで大きい穴を開けるとします。
皆さんはどちらを選択しますか?
①大きいドリルでいきなり開ける。
②小さいキリでドリルの先端が入る穴を開けるて順番にドリルの経を大きくする。
①であれば、ドリル交換もしなくていいし、目的の穴も開きますが、ドリルが大きいがゆえに手元の力も必要になり、ブレる危険性があります。また、任意の位置に開くかどうかはわかりません。言ってみれば失敗する確率も大きいわけです。
②はドリルの先端が入るくらいの穴を最初に開けて、小さいドリルから大きいドリルを使うことによって確実に穴を開けていきます。ドリルの交換が必要だったり、手間もかかりますが、確実に正確に穴は開きます。
以前の私なら、めんどくさくていきなり大きいドリルを使ったでしょう。しかし今なら②を選択します。
このように、最初は小さい力ですが、汚れの突破口さえ作ってしまえば後は楽に、確実に汚れが取れることを学んだんです。
便器の水垢を小さく小さくヤスリをこすり、汚れを取っていく。大きくヤスリを動かすことって結果的には原因を解消することは出来ません。
実はこれ、
実際に経営の場でも使われています。
オニツカきりもみ商法。
ご存じの方もいるかもしれませんが、鬼塚喜八郎氏が創業した現在のアシックスです。
一点集中できりもみで穴を開けて、点と点を繋ぎあわせ、その点がつながりそのエリアの占有率をゴッソリ獲得する。
正に弱者の戦略ですね。
トイレ掃除もまた同じ。
便器についた水垢はリングのように輪っかになります。
一箇所汚れが取れれば、後はスムーズに汚れが取れていきます。
また素手ですることによって、視覚ではわからないところにも気づきやすい。
正に五感を使って汚れと向き合う。
そんなことをトイレ掃除から学びました。
靴磨きも同様です。
以前の記事にも書きましたが、靴磨きのテクニックよりも、靴磨きから学ぶことのほうが多いです。
磨いたり、掃除したりすることは多くのことを気づかされます。
靴磨きとトイレ掃除。
人生勉強でもあり、生涯継続していくことですね。