靴バカの小物

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1960年代製オーストリア軍バックパックを令和の現在に蘇らせれることはできるのか? Part1

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今から27年前、人生で初めて仕事で海外に行きました。

10代から20代前半は車バカで、毎日毎日クルマ漬け。寝ても覚めてもクルマばっかりでした。

そんな青春時代を過ごしていたんですが、漠然といつか海外で仕事がしたい夢は抱いていました。

 

何かを得るには何かを捨てる

 

ってことで、当時彼女よりも大事なクルマを全て処分して、技術を学ぶため卒後研修機関で1年間修行をし、やっとの思いで海外行きの切符を手にしました。

 

chicago

その海外とは、アメリカ イリノイ州シカゴ

 

当時はインターネットの普及はほぼなかったので、妄想だけが先行しワクワクドキドキでした。

希望と好奇心だけを頼りに現地に行ったのを思い出します。

 

アメリカの自由な生活スタイルは、日本とは大違いでした。

満員電車に揺られることもなく、人が溢れていることもなく、正に広大で自由そのものでした。

 

日本は仕事優先でしたが、アメリカは余暇を優先。

休日には、広大な庭で家族でBBQや球場で野球観戦。

とにかく、余暇を楽しむために仕事する。

 

この生活スタイルは当時のワタシにとっては衝撃的でした。

今のアメリカの生活スタイルはどうだか知りませんが、この当時は本当に良かった記憶があります。

 

chicago

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当時はスマホなどなく、フィルムカメラで撮影しました。

ピンボケですみません。。。

 

ここはシカゴカブスの本拠地カブススタジアムです。

正にバッタボックスで打ってるのが、サミー・ソーサでした。

この頃は、ソーサとマグワイヤのHR合戦で競い合っていましたね。

このときソーサが打ったのはHRで、かなり盛り上がったのを覚えています。

 

ワタシの人生の中では、忘れられない思い出であり、今後の人生の中でもその時の体験が色濃く残っています。

 

そしてある時、ふらーと立ち寄った古着屋で発見したヴィンテージバックパック。(写真で背負ってるバックパック)

当時からボロボロだったんですが、なぜか惹かれる思いがあり購入したのを覚えています。

 

そんな思い出のバックパックですが、帰国してからはほぼ使うことなく、押し入れの中にしまい込んでいたんです。

 

リメイクするきっかけ

そして2024年、整理していたらふとで出てきました。

正直捨てるに値する状態だったんですが、今にないデザイン、生地(頒布)がまだ使える状態だったのでリメイクを考えました。

 

とは言え、かなりボロボロの状態です。

何せ今から60年以上前のバックパックです。

実用として使えるのか?

 

ワタシは当時このバックパックは、アメリカ軍の払い下げかとばかり思っていたのですが、実はオーストリア軍のバックパックだったんです。。。

オーストリア軍ってまた中々な代物です。

 

この頃のバックパックって、殆どが頒布で出来ています。

またファスナーのような代物はなく、紐で締めたり、革ベルトで締めたりと、アナログな装備が備わっています。

しかし頒布って、思いの外丈夫です。

 

頒布VS革

これは意外でしたが、頒布と革どちらが耐久性があるかというと、圧倒的に頒布でした。

ワタシは、革のほうが丈夫だろうと思っていたんですが、バックパックに着いている革の殆どが再利用不可。

一部は粉状で手に付く状態

 

レッドロットってやつです。

 

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一方頒布は、引っ張っても裂けません。

朽ちるイメージでしたが、殆ど朽ちることなく強度を保ったままの状態でした。

これは完全に思い込みでしたね。

 

布って劣化が早いイメージでしたが、革のほうがのボロボロでした。

革は、水分や油分が抜けると耐久性はないんです。

レッドロット状態の革は末期状態。

メンテナンスの重要性が理解できました。

 

ボロボロの革は、何をしてもダメです。

試しに通常のメンテナンスをしましたが、全く効果なし。

やるだけ無駄なので、捨てたほうが時間の節約になります。

 

リメイクプラン

リメイクするに際して以下のプランを考えました。

 

①頒布を染める

②革部品を再構築

③できるだけ取り外し可能なパーツ設計

④拡張性

 

①グレーの頒布でした。これが中々汚いんです。。。

金具のサビは滲み出てグレーの頒布が茶色く変色してるところが多々ありました。

軍で使用していたこともあり、過酷な環境での使用だったんだと思います。

 

取り外せるパーツはすべて取り外して、頒布だけの状態にして染め直します。

染めるのは以前したことあるので手順はバッチリです。

 

ダイロン(色の染め替え)

先日、色の染め替えを行いました。 実は、今回が初めてではなく何度かやって ...

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②革の部分は殆どと言って再利用できませんでした。

したがって、革のパーツの寸法を測り裁断して縫い付けます。

また、革のデザインもある程度考えながら裁断しないとかっこよくもなりません。

 

目指すデザインは、ヴィンテージの雰囲気が残りつつ、機能は現在風。ハイブリッド的なバックパックを目指します。

って言っても、ここが肝心要で難しいところなんですがね。

 

③取り外し可能なパーツ設計

既製品のバックパックは、大抵がバックパックとショルダー部分が縫い付けてあります。

ショルダー部分って、根元には相当な負荷がかかり、縫い付けている糸が解けてショルダーが分離したことないですか?

背負おうと思っても背負えない。

縫い付けようと考えるも、本体の糸が解れてグジャグジャ。。。

ワタシは経験しています。

 

こうなったら、大抵はバックパックの寿命と考えて新しいものを購入すると思います。

また、汗をかいたときにもショルダー部分って結構汗吸ってるんですよね。

単品で取り外し可能であればこの部分だけ洗濯することも可能です。

背中のパットもまた同じ。

 

今回はできるだけ取り外し可能な設計にします。

 

④拡張性

これは、ミリタリーバックパックなのでモールシステムを採用することで拡張性が広がります。

モールシステムとは、

正式名称はModular Lightweight Load-carrying Equipment(モジュール ライトウェイト ロードキャリング エクイプメント)。
通称MOLLE(モール)は1997年以降アメリカ軍が採用している個人装備システムです。

主に”PALS”と呼ばれるウェビングシステムを利用して構成されており、ポーチなど付属品は簡単に取外しできるモジュラー式の装備なので、様々なミッションに対して装備を最適化できます。

ウェビングの幅は1インチ(2.5 cm)。これが1インチの間隔で縫い付けられています。
縫い付けはポーチ類の横ずれを防ぐため1.5インチ(3.8 cm)間隔に縦ステッチで固定しています。

 

アフターポーチをつけることによって、バックパックの外に取り付けることが可能になるんです。

これはかなり便利ですよね。

モールシステム

革の豚鼻(正方形の革の部分)はワタシの自作ですw

 

モールシステムモールシステム

モールシステムモールシステム

裏面のナイロンベルトが2本出ていますが、これをバックパックは本体に編み込みます。

モールシステム

あっ、このバックパックはミステリーランチの2DAYアサルトなので、今回の1960年製ではないですよ。

参考までにのつもりで載せています。

 

バックパックに3本のナイロンベルトが、1,5インチ幅で縫い付けてあります。

上下の間隔は1インチです。

これを編み込みます。

バックパック本体に編み込んだ後は、ポーチのモールシステムに編み込んでいきます。

交互に編み込む感じです。

 

モールシステム

実質は2つのモールに編み込む形になります。

外れないのーって思いますが、これがかなり頑丈で、引っ張っても取れません。

 

モールシステム

ワタシは、バックパックの中にしまい込んでアクセスするよりも、外付けポーチで気軽にアクセスしたい派です。

逆にそのアイテムが不要のときは、ポーチごと取り外せばスッキリします。

収納面でも、決まった場所の決まったアイテムなので取り出すときは容易に取り出せるメリットがあります。

 

逆にデメリットは、オリジナルのデザインが崩れる可能性があります。

見た目のシャープなバックパックは、元々このモールシステムがついてないのがほとんどですが、つけたらつけたで結構ガシャガシャって感じです。

 

モールシステムができたのが、1997年なのでつい最近です。

今回リメイクするバックパックは1960年製なので、当時はモールシステムの概念がなかったのではないかと思います。

ただ、それに似たような感じは随所に出ていますね。

 

日常使いのバックパックだったり、ビジネスで使うバックパックならシンプルな見た目のほうがいいですよね。

 

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ワタシはモールシステムのゴツさや利便性が好きですので、拡張してポーチを付けたいと思います。

 

次回は、リメイクした軌跡を綴っていければと思います。

 

   
 

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