雨の日も怖くない!雨用コードバン靴を作る
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6月も中旬になりました。
既に梅雨に入りましたね。
この時期は当然ながら雨の日が多く、コードバン愛好者はつらい日々となりそうです・・・
しかし本来であれば、靴が濡れることはどの日も想定できることです。
降水確率0%と言えども大気の不安定な状態であれば、ゲリラ豪雨もありえます。
これからの時期に対して、コードバン靴をいかに守っていくか?
と言った観点で書いていこうと思います。
3年目に突入した靴バカ.comですが、今年はチャレンジしていきたいと思っています!
先日上海に行ったときに、防水対策したalden986で挑んでいきました。
しかし結果はひどいアリサマ・・・
実は、雨が降ることは行く前からわかっていたことなんですが、実際の雨でどれくらいの防水対策できるか知りたくって・・・
とりあえず水は弾いたものの、シミは残りました。
シミが残るとケアが大変なんですよね(汗)
以前からの私のミッションとして、
雨用コードバン靴を作る
これがテーマです。
今までに色々と、このコードバン靴に対して雨の日対策をしてきました。
素人の考えで言うと、
雨の日にコードバン靴を履けないのは不便過ぎる!
って思います。
ただ、コードバン所有者の立場で言えば、
雨の日に履けば、斑点やシミの原因になりケアが大変・・・
故に履かない。
と言った構図になります。
雨靴を用意すれば問題解決ですが、やっぱりコードバンのオールマイティーな靴って一足欲しいところです。
過去にこんな記事書きました。
コードバンの梅雨対策
いよいよ5月になりました! 季節的にもいい時期です。 暖かく ...
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コードバンの防水検証①
8月に突入しましたね。 私は相変わらず台灣での生活です・・・ ...
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【メンズ新品】ALDEN オールデンレザーディフェンダー 防 ...
色々やりました。
結果的に言えば、ゲリラ豪雨のような激しい雨では防水効果とかシミだとか言ったことは関係ありません。
どんなに靴を守ろうとしても、インソールまで水が来た時点で靴自体の防水効果は全くありません。
ただ、一時的な防水は可能でした。
今回は、ちょっとマジメに時間を計って検証してみたいと思っています。
今回実験する靴は、
alden#954
alden#986
alden#954はレザーソールですが、ハーフラバーにしています。
従って、多少の雨であればインソールへの水の侵入も防ぐことは可能です。
alden#986は以前も実験に使用した靴です。
そして、通常のメンテをした状態(コロニル1909シュープリームクリームデラックス)
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で水を垂らします。
時間は10分
結果は、
見事に水の跡がつきました。
これがシミですね。
実際は雨水なので、泥や汚れを含んだ雨水です。
また水滴も小さいので、コードバン靴には小さな斑点ができると思われます。
この写真を見てもわかるように、水を垂らした面積(靴と水が接している大きさ)が広いですよね。
それだけ弾きが弱い(撥水効果がない)ことがわかります。
このシミを一旦リセットします。
リセットする際は、部分的な水分をなくし、シミになっている箇所よりも広範囲で濡らします。
そうすることによって、乾いている部分と濡れている部分のギャップを無くし、同じ条件で乾かすことによってシミが消えます。
また、コードバンの毛が起きていてシミに見えることもありますので、こちらのかっさ棒で押し当てることも必要かもしれません。
このような感じで、コードバン靴が濡れてしまったらめんどくさいんですよね・・・
リセットした後に、もう一度実験です。
今度は、これを使います。
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このクリームの防水効果は実証済みです。
また、使い方にもいろいろな発見があって面白いクリームです。
今回ちょっとチャレンジしてみたくって、使い方を変えてみたんです。
その使い方とは、
クリームをごく少量塗り込んだ後に、
ドライヤー
素人考えなのでマネしないでください(笑)
結局、革の内部までこのクリームを浸透させれば、水が入ってくるスキはないわけです。
浸透するようにするためには、革を暖かくしてクリームが塗りやすいようにします。
また長谷革屋のクリームは硬いので、中々浸透しません。
あくまでも塗りやすさが目的なので、革へのダメージもないくらいにドライヤーは使います。
時々、自分の手で皮の表面温度を確認しながらドライヤーを使っていきます。
絶対にドライヤーは当てすぎないでください!
ある程度、革が温まったら指で革の表面をならしていきます。
この時、革へのクリームの量が多ければベタつきが半端ないです。
ごく少量であれば、指でなぞっていくとキュッキュって感じで艶が出てくるはずです。
因みに最近メンテナンスしていなかったalden990を使って光り方を見てみました。
このクリームはごく少量で使用し、指で革をなぞっていけばかなりの艶が出てきます。
アッパーにも使えるので、アッパー部分も鏡面に近い形で光ってくれます。
長谷革屋のコードバンクリームのみでこの艶は嬉しいですね。
そして、実験再開!
条件を同じにして10分待ちます。
水は弾いていますが、水滴が大きく革にも浸透しているようですね・・・
水を拭き取り、シミになっているかどうか確認します。
結果は?
あ〜!やっぱりシミができました・・・(T_T)
とりあえず同じ条件で、alden986も実験してみます。
10分経過
水滴が移動していますね。
こちらも同じく水滴が大きいです。
こちらもシミが残りました。
多少のシミは残っているものの、コロニル1909シュープリームクリームのような深いシミにはなっていません。
しかし、シミになっていることには違いないですね・・・
今回も理想の雨用コードバン靴の制作は失敗・・・
そんな感じで落胆していたのですが、またもや発見!
シミになったコードバンを豚毛の硬いブラシでブラッシングしていったんです。
すると、
シミが消えた!
ある程度強めのブラッシングではありましたが、シミは消えていました。
うっすらとは残っていますが、よく見ないとわからないレベル。
多少はコードバンにクリームが浸透していたように感じます。
成功とは言えないかもしれませんが、シミ予防にはなります。
やはり、長谷革屋のクリームは防水対策で言えばアドバンテージがつきますね。
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先にも書きましたが、実験の水とは違って、雨水は泥や不純物があるので防水効果としては実際の状況下でなければわからないものです。
結果として水ははじきましたが、シミはできました。
雨の日用のコードバン靴を作るのは本当に難しいですね。
防水効果のあるクリームを塗っても、
シミを残さない
っていうのが中々難しいです。
シミになってもブラッシングだけで復活できるような状態であればベターです。
欲を言えば、
雨水を弾きっぱなしで艶がありシミもできない
っていうのがベストです。
それぞれの革質の状態にもよりますが、私の実験ではこのような結果です。
基本的に、雨の日は履かない。
って決めていれば、このようなめんどくさいこと考えなくてもいいんですが、私の中では、
どのような条件下でも平等に履きたい
って思ってしまうので、雨の日コードバン靴はぜひ作りたいところです。
またチャレンジですね(汗)